医療保育士(病棟保育士)の仕事内容と働き方:必要な資格や給与についても紹介

記事の著者:toganoyuka

医療保育士(病棟保育士)とは、病院に勤務し病気やケガで入院した子どもを保育する人のことを指します。病棟保育士と呼ばれることもあります。医療に関わることがありませんが、子どもの入院生活のストレスを軽減させ、治療に専念させる医療保育士は大変重要な存在となっています。

川崎医療短期大学が2010年に発表した「医療における保育の必要性と課題」の論文によると、約350病院に保育士が配置されていると推定されており、小児科を設置している全国の4,039の医療機関のうち、保育士を導入している病院等は123施設となっています。

人件費などの問題により、医療保育士を病院は今のところ少なく、配置されていたとしても一病院に医療保育士一名という配置が圧倒的に多い現状です。

ただし、厚生労働省は医療機関に保育士の導入をすすめており、経費補助なども進んでいることから、保育士の導入をおこなう病院は増えてくるでしょう。そこで今回は、医療保育士について紹介をします。

医療保育士の仕事内容

医療保育士とは、上記でも紹介をしたように、入院中の子どもたちにコミュニケーション機会などを提供し、身心のケアをおこなう人のことを指します。病気を患っている子どもを相手にするため、ストレスや不安を発散させることが重要。子どもの気持ちを前向きにすることで治療が効果的になることがありますので、カウンセリングやメンタルケアの知識を持ち、コミュケーションを取ることが必要です。

楽しい時間と安心を提供し、子どもたちの成長に寄り添うという点では、通常の保育園と同じです。しかし小児科病棟の場合、0歳~18歳くらいまでの子どもが保育対象になります。なお、医療保育士は医療行為をおこなうことはできません。

その他の医療保育士の具体的な仕事の内容を紹介します。

遊びの提供

入院生活を余儀なくされる子どもたちは、遊びも限られていることがあります。

遊び盛りの子どもたちに、闘病生活での苦痛を少しでも和らげられるために、限られた中での遊びを提供することも医療保育士の大きな仕事です。一般的な集団保育として、歌や手遊び、絵本を読む時間もありますが、病状などに応じて個々の対応が必要です。

また、感染予防のため、おもちゃや備品の消毒などもおこないます。

生活支援

家族が毎日来てくれない子どももいます。そのような子どもや1人で生活ができないほど大きな病気を抱えている子どもに対して、看護師と連携して食事やトイレ、お風呂と言った生活を支援します。睡眠の介助をすることもあります。

ただし基本的には看護師がおこなう仕事になるため、指示をうけた上でアクションを起こすことになるでしょう。

心のケア

家族が毎日来てくれない子どもは、家族が毎日来てくれる子どもを羨ましがります。また病院の生活にストレスを抱えたりもします。子どもが抱えるストレスはみな違います。それぞれの子どもの心のケアをすることも重要な仕事になります。

子どもとのコミュニケーションに加えて、保護者とのコミュニケーションも大切な業務になります。保護者と連携をとり、家族に安心を届けることも大事な仕事のひとつです。

医療保育士の魅力・やりがい

小さな子どもにとって、家族と離れて1人で入院生活を送ることは、とても寂しくて不安です。その不安を少しでも和らげるために、子どもたちと笑顔で接し、たくさんのコミュニケーションを図りながら、楽しい入院生活を送るようにしてあげることが医療保育士の役目です。

一般保育士とは異なり、1人の子を長く見ることができるので、成長や回復には、大きなやりがい、喜びを感じることでしょう。また退院した子どもたちが会いに来てくれることもあり、仕事をしている自分の存在意義を大いに感じることができる職業といえます。

医療保育士の職場

小児病棟などに入院している子どものケアのために設置されているのが、医療施設併設型の保育施設。

従事する医療保育士は病棟保育士と呼ばれ、医療保育士の求人の多くを占めています。症状が重い子どもや、伝染性の病気の子どもの保育を行う施設です。

医療機関併設型の次に多いのが、保育施設併設型の病児保育施設。比較的病状が落ち着いている、回復期などに入り症状が軽い子どもを受けいれる施設です。

そして病児保育のみを行う、単独型という施設もあります。訪問型病児保育などを行っており、今はまだ施設の数は少ないですが、これから増えていく予想です。

医療保育士の給与

医療保育士の給与は、医療機関で違いがありますが、月給20万円~28万円程度。年に2回のボーナスがあります。年収ベース300万円~450万円くらいが相場でしょう。

厚生労働省調べで、一般保育士の平均年収は310万円となっているため、医療保育士は少し給与が高いといえます。そして医療機関になるため、ボーナスは安定しています。ほかにも福利厚生が整っているため、安心して安定した生活が送れるようになるでしょう。

医療保育士になるには

病院内で働くからといっても保育士であるため、看護師と同様の医療行為はしません。そのため、看護師資格は必要ではありません。保育士の資格を取得していれば、医療保育士として働くことができます。

医療保育士を募集している病院で雇ってもらえれば、医療保育士と働き始めることが可能です。しかし業務に当たる上で医療知識やカウンセリング・児童心理学・心理検査方法といった心理学についての知識が必要になります。アレルギーや子ども特有の病気といった専門的知識も学ばなければなりません。

アメリカではチャイルド・ライフ・スペシャリスト、イギリスではホスピタル・プレイ・スペシャリストなどと特別な資格がありますが、決まった資格がない日本では医療保育士に関連する資格を取得することで、医療保育士としての専門性をより高められます。

主な関連資格は次の3つです。

・医療保育専門士
医療保育士として実務を1年以上積んだ後、医療保育学会に所属し講習・論文で取得できます。

・保健児童ソーシャルワーカー
子どもの心と体のサポートを目的とした資格で、医療保育士・幼稚園教諭などのカリキュラムを履修し試験に合格すると取得できます。

・JESC認定カウンセラー 
様々なストレスや要求に対して、コミュニケーション知識を持って接することができる資格で、試験に合格すると取得できます。

医療保育士の求人状況

医療保育士の需要と供給のバランスはとれていません。医療保育士になりたいという人が多いのに対し、医療保育士を募集している医療機関はまだまだ多くはありません。ニーズが高まっているため、今後は募集する医療機関が増えてくると予想されますが、求人を探すのは保育園での保育士の仕事より圧倒的に求人数が少ないのが現状です。

ただし保育士の求人情報を定期的にチェックしていると、医療保育士を募集している医療機関が出ていますので、こまめにチェックするようにしましょう。

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