モンスターペアレントの特徴と保育園の対処法は?保護者とトラブルが起きた時にやるべきこと

記事の著者:toganoyuka

保育園にはたくさんの子ども達がおり、同時にたくさんの保護者と関わりを持つため、様々な性格の保護者からのクレームに対応しなければなりません。

細かいことから大きなことまで多種多様なクレームがあり、反省しなければならないまともな苦情もありますが、中には信じられないような苦情もあるのです。

実際に、ベネッセが2011年におこなった調査では、9割の保護者が「最近、モンスターペアレントが増えたと思う」と回答をしています。

保護者への対応に困り、疲れ果てて辞めたいと考える保育士がいるのも事実。そこで今回は、モンスターペアレントの特徴や実際のトラブル事例と、そのt沖に保育士が取るべき対応や解決方法について紹介していきます。

モンスターペアレントの特徴

モンスターペアレント(モンスターペアレンツ)とは、自己中心的かつ理不尽な要求をする保護者を指します。

同調査では、下記のようなケースをモンスターペアレントとして挙げています。

  • 食費・教材費を払えるのに払わない
  • 行事の役割・配役・出場競技にリクエストがある
  • クラス編成についてリクエストをする
  • 子どもに対する指導について反発・反論する
  • 子ども同士の喧嘩やいざこざに介入する

このようなケースをモンスターペアレントと思う人は9割~7割に登っています。真っ当な指導に対し、子どもが傷つけられたと、反発や反論することに対しては多くの人がモンスターペアレント認定をしていているようです。

正当な理由もなく文句を言ってくるような保護者は、モンスターペアレントと思っていいでしょう。

こんなクレームもあり!?実際にあったモンペのクレーム例

保育園では、子どもが怪我することなく安全に過ごせるよう配慮しています。しかし子どもは思いもよらない行動に出ることがあるため、怪我などのトラブルはどうしても起こり得るもの。

怪我などが起きてしまった時に保育士の対応がしっかりしていなければ、保護者は保育士に対して不信感を抱いてしまうでしょう。そのため、保育士は常に子どもの安全に気を配り、もし何かあった場合は、丁寧な対応をおこうことが非常に重要になります。

とはいえ、なかにはとても理不尽なことにクレームをつけてくるモンスターペアレンツもいます。実際にあったクレーム例を紹介していきます。以下のような行為をしている保護者は、モンスターペアレントと認識しましょう。

しつけを保育園任せにする

本来しつけとは保護者が家庭でおこなうことです。しかし、保護者からのニーズは多様化していて、本来それぞれの家庭でやるべきことも保育園に求めてくる保護者もいます。

トイレトレーニングやひらがなの練習、初めての離乳食を保育園で試してみてほしいなど、びっくりするような要求をされることもあるとか。トイレトレーニングは、家庭でおこなう延長として、保育園でもおこなうことはあります。しかし家庭ではずっとオムツを着けているが、保育園ではトイレトレーニングを進めてほしい、という要望は受け入れることができません。

保育園は保育の場です。もちろんお手伝いやアドバイスはしますが、最初から園に丸投げする保護者も多いです。だいたいトイレトレーニングが始まる2歳児クラスではこうならないように、新学期に懇談会などを通し、保護者に呼びかけます。

子どもをきちんと叱らない

たとえば、スーパーの品物に指を入れて封を開けてしまっても親は何も怒らず、店員に注意されると、「ほら、店員さんに怒られるからやめな」というふうに子供に言う保護者などがいます。

しかし、この伝え方では、品物に穴を開けることがいけないのではなく、他人に怒られるからしてはいけない、というふうに子どもは理解してしまいます。

このように、いけないことはいけない、ダメはことはダメだと、きちんと伝えられない、叱れない保護者もモンスターペアレントの一種です。

お迎えの時間に当たり前のように遅れてくる

保護者も頑張って働いて、急いできていることはわかっているので、数分くらいの遅れなら延滞料金を取らないこともあります。

しかしそれをいいことに、お迎えに遅れてしまう連絡もなしに、悪びれもしない保護者がいます。

このようにルーズな保護者は、手紙の提出期限を守らなかったり、手紙自体をなくしてしまったりします。これくらいのことならまだ良い方で、さらに困るのは、活動やイベントに遅れてくる人で、保育士もわかっていますから、前々から口を酸っぱくして伝えてるにも関わらず必ず遅れてくるものです。

また、最も困るのは、お迎え時間を守らない人です。通常保育の時間を過ぎると延長保育になり、別途料金がかかります。周りの保護者は遅れないよう急いできて支度をして、時間内に降園していく中、いつもぎりぎりにきて、ゆっくり支度をして延長保育時間に入っても降園しない保護者もいます。

そうすると、時間を守っている保護者からすると、不公平ではないかと不満の声があがって対応に苦慮することになります。

お迎えの前に寄り道をする

基本的に保育園は、保護者の仕事と通勤にかかる時間が子どもを預かる時間と決まっています。

小さな子どもを連れて用事を済ませることは大変なことは分かるのですが、大変だからといって仕事帰りに買い物をして堂々とお迎えに来られると、正直対応に困るもの。

ひどい時には買い物袋を見えない所に置いておくというような配慮すらありません。

病気の子どもを預ける

だいたいの保育園では、登園時や午睡後などに体温を測り、37.5度以上あった場合は預かることはできないとしていたり、保護者にお迎えの連絡をすると定めています。それは、保育園は病児保育を目的として施設ではないからです。

保育士は1人で何人もの子どもをみなければなりません。しかし具合の悪い子どもがいると、その子どもを誰かが見ていなければならなくなります。

そうしたことを理解しておらず、「会社を抜けられない。そんなに熱は高くないのだから待っていてほしい」と言われたり、「迎えに行きます」と返事が来ても結局普段通りのお迎え時間にきたりする保護者もいます。

仕事の休みの日に子供を預ける

保育園は保護者の仕事と通勤時間の間だけ子供を預かるのがルール。仕事が休みであれば、本来は保護者と一緒に家庭で過ごすことになりますが、中には休みであることを告げずに、子供を預けてしまう保護者もいます。

保護者も毎日仕事を頑張り、家庭のことも一生懸命やっていることは分かります。しかし、頑張っているのは保護者だけではありません。まだまだ保護者と一緒にいたい年頃の子供だって、それを我慢して保育園で頑張っています。

もちろん保育園では、保育士や友達と遊んだり学んだりと、沢山のいいことがありますが、子供にとっては保護者と一緒にいることの方が大事です。保護者も大変なのは理解できますが、子供の気持ちを考えると、保護者の仕事が休みの日はできるだけ子供と一緒に過ごすべきです。

このような自分勝手なふるまいも、モンスターペアレントと言われる例のひとつです。

蚊に刺されないようにと要求する

夏が近づくと蚊が発生し、虫に刺されることがあります。ある保護者は、子どもが蚊に刺されないようにしてほしいと要望してきました。

子どもによって肌が弱かったりなどの事情があるかもしれませんが、完全に刺されないようにすることは難しいことだと伝えると共に、園庭に蚊取り線香を設置し、保護者に長袖を用意してもらい、外に出る際はそれを着用させ、虫除けスプレーをかけるような対応を取りました。

しかし、その措置に対しても、「蚊がいるのは夏ですから、暑いのに長袖なんて着せられない」と理不尽なクレームが。明らかに理不尽な要求にも困らされます。

発表会で自分の子どもを主役にするように要求する

保育園ではお遊戯会などの発表会や行事がいくつもありますが、その中で子ども達が劇をやる時に、保護者から「うちの子は可愛いからお姫様以外の役にしないで欲しい」「主役以外はやらせたくないからお願いします」などの要望を受けることがあります。

その意見はあくまで保護者の考えであって、子ども自身が何の役をやりたいのかは別です。ある施設では子ども全員が主役をやり、劇がなんとも言えない状態になってしまったという話もあります。主役だけが重要な役ではないことを、保護者にも分かってもらえるといいものです。

保護者とのトラブルに対する保育園の対処法とは?

保護者が保育園に対して、不安な気持ちや不信感を持つことからクレームに繋がります。まずはトラブルを未然に防ぐために、親密なコミュニケーションを築くことで保護者の不安な気持ちを取り除きましょう。

保護者は時間がなく、朝はゆっくりと保育士と話す機会が少ないため、お迎えの時に今日の子どもの様子や気になったことなどを伝えましょう。保育園での出来事は保護者は見ることができませんので、どのような活動をしてどのような様子であったのか、小さな出来事でも知りたいもの。クレームを防ぐには日々のコミュニケーションを通して、どれだけ強い信頼関係を結んで置けるかが重要なのです。

しかし、もしそれでも保育士が保護者からのクレームを受けてしまったときはどうすればいいのでしょうか?具体策について述べていきます。

誠意のある態度を貫く

まずはどんなに細かなクレームであっても、最後まで保護者の話を遮らずに聞くことがポイントです。説明しようと話に割り込むことをしてしまうと、保護者の怒りが倍増してしまいます。相手がどんなに理不尽な要求を出していたとしても、同じように怒ってしまっては、相手の機嫌を損ね、要求をエスカレートさせる心配があります。

建設的な話し合いをするためにも、冷静な気持ちで誠心誠意対応にあたりましょう。相手の話を遮ったり、反論したりすることは避け、まずは相手の話を一度最後まで聞きましょう。相手が話をしている途中で言葉をさえぎったり、「でも」「しかし」などの否定語は厳禁です。とにかく相手は話を聞いてほしいのです。うなずきながら時には「ハイ」とか「そうですね」といった相槌をうちながら最後までしっかりと話を聞いてください。

その上で「なぜそのようなことを思ってしまったのか?」「今後どう対処していって欲しいのか」などについて、感情的にならず誠意をもって冷静に対応していきましょう。もちろん保護者のクレーム全てを受け入れるのではなく、保育をおこなううえで仕方ないことや、子どもの成長のために必要であることはきちんと説明しましょう。大体が自分の子どもを心配しているからこそのクレームであるため、安心できるような話をしてあげることが大切です。

保護者からクレームのタイプを知っておく

次になぜクレームが発生してしまったのかを考えてみましょう。一言にクレームと言っても色々なタイプのクレームがあり、クレームのタイプに応じて対処が変わってきます。

タイプとしては大きく分けて5つあります。まずはどんなタイプのクレームかを判別しましょう。

  • 相手への期待感からのクレーム
  • 単なるストレス発散のためのクレーム
  • 自分の考えや意見を曲げたくないためのクレーム
  • 孤独感や寂しさからのクレーム
  • 自分が立場が上であることを誇示したいがためのクレーム

決して一人で対応しない

保護者とのトラブルやモンスターペアレントの対応は、基本的に園全体の問題として園長や主任・先輩とチームで対応します。

対応が人によってちぐはぐだと、相手の不快感を助長させることに繋がるので、職員間でよく連携して、対応に統一性を持たせる意識が必要です。また、複数人で話し合いを持つことで事実と異なることを訴えられた場合に、その証明ができます。

また、1人で対応してしまうと、ストレスを抱え込んで、保育士自身が鬱になるなど悪影響が出ます。

特に学校を卒業したばかりの保育士にとって、保護者は年上の場合が多く、ただでさえ緊張するものです。勉強するつもりで上司の対応をよく見ておきましょう。クレームを言ってきた保護者も責任者に話を聞いてもらうことで、安心することがあります。

事実確認をして、認めるべきことはきちんと認める

保護者から何か言われたときに、あなたが当事者でも他の保育士の意見を聞いてから回答する方がいいでしょう。

つまりどんなことでも一度複数の人間と事実確認をする必要があります。自分が正しいと思っていたことでも、間違いはあるかもしれません。相手の言い分をしっかりと聞いたうえで、事実は事実と認めましょう。単純に受け止めることで、相手は言い分を正しく理解したと認識します。

期待感やストレス発散型のタイプのクレームを言う人は、ここで落ち着いていたずらに事を荒げるようなことはまずしません。そのため余計なトラブルに発展する心配がなくなります。

実現できる要求には柔軟に対応し、個人情報は漏らさないようにする

もっともな要求や受け入れても差し障りのない要求には、すみやかにyesの回答をし、早急に実現するべきです。そうすることによって保護者側の満足感がアップするのは言うまでもありません。

ただし、例えば園児同士でけんかをして怪我をさせてしまい、直接謝りたいので特定の保護者の住所を教えて欲しいと言われても教えてはいけません。

個人情報の管理が大切なのは保育園でも同じです。いくら親切心でも、個人情報を安易に教えてしまっては別のトラブルが起こってしまいます。

保護者同士のやりとりにおいても、相手の同意を得るか、保育園を仲介して行いましょう。どうしたらよいか分からないときは、先輩保育士に聞くか、園のマニュアルを確認して対応しなければなりません。

相手のペースに巻き込まれない

相手は怒りで冷静な判断を失っている場合が多いため、そのまま議論を始めず、まずはクールダウンさせるよう配慮しましょう。

立ったまま話し始めず、必ず場を改めて、座った状態で落ち着いて話し合いましょう。話し合いでは、謝罪よりも客観的事実の確認を優先させます。

たとえば、「他の子に自分の子がケガさせられた」という場合、ただ謝罪するのではなく、しっかりと事実関係を調べる旨を保護者に伝え、心配をかけたことについてのみ謝りましょう。詳細が曖昧なままでの謝罪はトラブルを増やすタネになってしまいます。

議論に何らかの着地点を持つ

クレームについては互いに100%満足とはいかないものの、ある程度妥協できる着地点をもつと良いでしょう。

そうすることで互いに事態が進展したという共通の認識を持つことができ、ある程度の満足感を得ることにつながっていくからです。

こじれた場合は第三者機関へ相談を

保育士も人間なので感情があります。時には、理不尽なクレームにイライラしてしまうこともあるでしょう。

しかし、けして感情を表に出してはいけません。こちらが怒って反論してしまうと、相手はますます逆上してしまう可能性があります。冷静に話し合うことを心掛けてください。

もしこじれた場合や、こじれそうな場合は素早く弁護士、警察などに相談するようにしましょう。

また、法テラスは専門家が簡単な相談に乗ってくれる準公的機関です。法テラスも相談の選択肢に入れておいたほうが良いかもしれません。ともかくこじれた場合は素早く相談することが大切です。

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