有給の繰越について知っておくべきこと・注意点7つ

記事の著者:shuta

有給休暇は、労働者の労働者の心身のリフレッシュをはかることを目的に付与されるものであり、労働基準法で労働者に認められた権利です。

しかしながら、業務繁忙などの理由で翌年度に繰り越されているのも事実。

そこで、取得できなかった有給休暇の繰越について、知っておくべきことや注意点をまとめてみました。

有給休暇の時効

年度内に取得されなかった有給休暇は繰り越すことができますが、2年間の時効が定められています。

労働基準法第115条において『この法律の規定による賃金、その他の請求権は2年間行わない場合においては、時効によって消滅する。』と定められており、有給休暇は「その他の請求権」にあたるものです。

たとえ、就業規則で「有給は繰越できない」と定められていても、無効となります。ただし、2年を経過した有給休暇については時効が成立していますから、後になって請求することはできません。

有給休暇の取得順位

有給休暇の取得順位について、労働基準法に定めはなく、明確な裁判例・通達もありません。

就業規則に定めがあれば、それに則って取得することになりますが、時効で消滅する有給休暇を1日でも少なくするよう繰越分から消化するのが一般的です。

時間単位の有給休暇の繰越

平成22年に労働基準法が一部改正され、事業場の過半数代表との労使協定が成立すれば、1年に5日を上限として時間単位での有給休暇の取得が認められることになりました。

もちろん、時間単位の年休も翌年度に繰り越されますが、上限日数である5日に変更はありません。なお、この場合も前年度の残時間数から消化するのが一般的です。

有給休暇の繰越上限日数

労働基準法において、有給休暇は勤続年数によって付与される日数が決まっており、勤続6年半で上限の20日に達します。

したがって、勤続年数が7.5年以上の人であれば、繰越上限日数が20日、当年度の発給日数が20日ですから、最大保持日数は40日になります。

なお、有給休暇の消化日数は増やすために、毎年、一定の日数を必ず消化するよう就業規則でルール化している会社もあるようです。

有給休暇の繰越日数を抑えるための法律

有給休暇は労働基準法に定められた権利ですから、全ての企業において制度が確立されているものです。しかしその取得率は、会社によって大きな差があります。

そこで年休の取得率をアップさせるため、「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案」には、10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対して、有給休暇5日の取得義務化が盛り込まれています。

詳細については今後つめられていきますが、この法律によって繰り越す有給休暇が大幅に少なくなることが期待されています。

有給休暇の経理におけるポイント

有給休暇は毎年発給されるものと、時効により消滅するものもあります。また、発給日と時効は入社した日により異なるので、中途採用が増えている企業は、非常に複雑な休暇経理が必要です。

したがって、労働者の不利とならないよう1日でも多くの年休を消化させるためには、繰越分と本年度発給分を区別する必要があります。また、日単位と時間単位で消化したものをそれぞれ丁寧に経理することが重要です。

繰越日数を最小限に抑えるための職場環境づくり

有給休暇は労働者に与えられた権利なので、請求行為によって付与されるものになります。したがって、2年間請求がなければ自然と権利は消滅します。

もちろん、会社が業務繁忙を理由に請求しないよう労働者に圧力をかけることは違法行為ですが、制度の目的に基づいて取得を促すことも会社の大きな役割です。

また、労働者も制度の目的を理解し、積極的に有給休暇を取得することで「繰越がでない」職場環境を構築することも大切です。

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