有給の繰越はできる?できない?期限やルールなどを詳細解説

記事の著者:shuta

有給休暇は、労働者の労働者の心身のリフレッシュをはかることを目的に付与されるものであり、労働基準法で労働者に認められた権利です。

しかしながら、業務繁忙などの理由でたびたび翌年度に繰り越されているのも事実。そこで、取得できなかった有給休暇の繰越について、知っておくべきことや注意点をまとめてみました。

有給休暇の繰越は1年分まで可能

取得年内に消化されなかった有給休暇は翌年に繰り越すことができます。しかし、そもそも有給は取得日から2年以内に使用しないと失効するという時効制度があるので、有給を繰り越すことができるのは1年分だけです。

労働基準法第115条において『この法律の規定による賃金、その他の請求権は2年間行わない場合においては、時効によって消滅する。』と定められており、有給休暇は「その他の請求権」にあたるものです。

繰越禁止の就業規則は違法

なお、たとえ就業規則で「有給は繰越できない」と定められていても、その就業規則よりも労働基準法の方が優先されて適用されるので、その規則は無効となります。

一方で、2年を経過した有給休暇については時効が成立していますから、後になって請求することはできません。

有給休暇が消化される順番は一般的には古いものから

有給休暇が消化される順番ですが、これについては労働基準法に定めはなく、明確な裁判例・通達もありません。

就業規則に定めがあれば、それに則って取得することになりますが、時効で消滅する有給休暇を1日でも少なくするよう繰越分(古いもの)から消化するのが一般的です。

有給休暇の繰越上限日数は最大40日

労働基準法において、有給休暇は勤続年数によって1年あたりに付与される日数が決まっており、勤続6年半で上限の20日に達します。

有給は2年で時効を迎えるので、勤続年数が7.5年以上の人であれば、前年の20日分と当年度の発給日数が20日分を合わせて、最大保持日数は40日になります。

企業としては繰越日数を最小限に抑えるための取り組みが重要に

有給休暇は労働者に与えられた権利なので、請求行為によって付与されるものになります。したがって、2年間請求がなければ自然と権利は消滅してしまいます。

もちろん、会社が業務繁忙を理由に請求しないよう労働者に圧力をかけることは違法行為ですが、制度の目的に基づいて取得を促すことも会社の大きな役割です。

例えば労働者が繰り越して貯めた40日分の有給をまとめて使っても、法律上は問題ありません。しかし、そうなると40営業日、つまり2ヶ月連続でその従業員が職場を離れることになるため、業務に支障が出ることも考えられるでしょう。

そのようなリスクを避けるためにも、適宜有給を消化させて、繰越日数を多くしすぎないようにするための取り組みも重要になっています。

2019年4月からは有給消化が義務に

また、2019年4月からは、有給の取得が義務化されるようにもなりました。

有給休暇は労働基準法に定められた権利ですから、全ての企業において制度が確立されているものです。しかしその取得率は、会社によって大きな差があります。

そこで有給の取得率をアップさせるため、国も取り組みを進めており、働き方改革法案の中で、すべての会社で年間の有給休暇消化日数が5日未満の従業員については、会社が有給休暇を取得するべき日を指定することが義務付けられました。

これによって、事実上の有給最大保持日数は35日となることになります。

有給休暇の繰越に関する豆知識

時間単位の有給休暇の繰越もある

平成22年に労働基準法が一部改正され、事業場の過半数代表との労使協定が成立すれば、1年に5日を上限として時間単位での有給休暇の取得が認められることになりました。

もちろん、時間単位の年休も翌年度に繰り越されますが、上限日数である5日に変更はありません。なお、この場合も前年度の残時間数から消化するのが一般的です。

有給休暇繰越の経理は複雑

有給休暇は毎年発給されるものと、時効により消滅するものもあります。また、発給日と時効は入社した日により異なるので、中途採用が増えている企業は、非常に複雑な休暇経理が必要です。

したがって、労働者の不利とならないよう1日でも多くの年休を消化させるためには、繰越分と本年度発給分を区別する必要があります。また、日単位と時間単位で消化したものをそれぞれ丁寧に経理することが重要です。

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