保育士の勤務時間は長い?サービス残業や持ち帰り仕事が問題に

記事の著者:sagiri

保護者に代わって子どものお世話をするのが、保育士の主な仕事です。しかしその他にも、会議や保育記録の記入、連絡帳の更新、掃除、行事の準備、教室の飾り付けなど、お世話以外にも仕事はたくさんあります。

とくに行事の準備や、保育記録の記入などの事務作業は、子どもが帰宅したあとに対応することになります。

共働きによる預かり保育時間の延長化、人材不足によるタスク量の増加に伴い、保育士の持ち帰り残業も増えているのが現状です。場合によっては充分な睡眠を取れないまま翌日出勤するケースもあるそう。

今回は保育士の持ち帰り残業について紹介するとともに、改善方法についても併せて紹介します。

保育士の残業と持ち帰り仕事の実態

株式会社ウェルクスの調べによると、約200人の保育士のうち「ほぼ毎日持ち帰り残業をしている人」は32.8%となっています。3割もの保育士が持ち帰り残業に悩まされていることに。

さらに持ち帰り残業をおこなっている時間は、「1~2時間」約50%、「2~3時間」約30%となっています。なかには、4~5時間と答える人もいました。

また、2017年6月に発表されている全国保育協議会の調査によると、ほとんどの保育士が毎日1時間程度残業しています。

残業と持ち帰り仕事を合わせると、毎日2~4時間ほど、勤務時間外に仕事をしている保育士も決して珍しくないです。

平日に自由時間を作るのは、ほぼ不可能

上記のデータから一日の勤務スケジュールを考えてみると、9時に出社し、1時間残業して19時に退社。20時に帰宅し、22時まで持ち帰り残業をして、次の日も9時出社というような日常を送っている保育士は多いのでしょう。ひとり暮らしであれば、家事もしなくてはいけません。

平日の自由時間は、ほぼないと言っても過言ではありません。

残業は基本的に無報酬

また、一般的な企業では残業代が出ることが多いですが、保育士の場合は残業・持ち帰り仕事は基本的に無報酬です。

サービス残業は違法です。労働基準法37条には「時間外労働(残業)、休日に労働した場合は割増賃金を支払わなくてはならない」と明記してあります。違反した場合、懲役6ヶ月以下又は30万円以下の罰金が課せられます。

しかし、業界の慣習として無報酬の残業・持ち帰り仕事は蔓延しており、改善される気配もありません。建前上は労働時間がるので注意が必要です。

保育士の勤務時間が長くなる原因とは?

上記で保育士の労働環境は極めて過酷であることが示唆されました。

それではなぜ、長時間の残業が発生するほど保育士の勤務時間は長くなってしまうのでしょうか?

保育士業界ならではの、手作り文化が大きな負担に

保育士業界は、手書き・手作りの文化が根強く残っています。クラスだより・保育記録は、すべて手書き。間違えたら作り直し、書き直しなど、手作り文化が大きな負担になっているのは間違いありません。

下記のように、持ち帰る残業タスクも、作ったり、書いたりする事務作業が多くなっています。

  • 保育経過記録
  • クラスだより
  • 誕生日などの、各種イベント告知カード
  • 行事の小道具作成

シフト制勤務で帰りにくい

一般的に保育園で子どもを預かる時間は朝7時から夜7時の12時間程です。最近では24時間保育をおこなう園も増えてきました。

基本的に保育士は8時間勤務になるため、シフト制で勤務をおこなっている園が多いです。そして一般的には、下記のような3交代制を導入されています。

  • 早番:7:00~16:00
  • 中番:9:00~18:00
  • 遅番:11:00~20:00

毎日、中番担当であれば問題はありませんが、遅番の次の日が早番になることもあります。そのため生活リズムが崩れやすく、体調が悪くなってしまう保育士もいます。

また自分の勤務時間が終われば帰っていいのですが、忙しい時間やトラブルが起きたりすると、勤務終了しているにも関わらず「帰りにくい」と感じる保育士も多くいます。基本的に保育士のマインド的に「手助けしてあげたい」「サポートしたい」という心優しい人が多いので、「残業して1時間経ってしまった」などといったことが発生しやすいのです。

特に保育業界は上下関係がはっきりしているので、先輩保育士が残業していれば、新人・後輩保育士が先に帰宅することは難しいでしょう。

延長保育では、保護者を待たなくてはいけない

多くの保育園では、延長保育が導入されています。この延長保育とは、あらかじめ子どもを預ける予定だった時間に、延長して預けることができる制度のことを指します。仕事の都合などで延長保育を利用する人が多いです。

基本的には延長保育になる場合は、早い段階で園に連絡をする必要があります。そしてその時間内にお迎えに来なくてはいけません。しかし延長保育の連絡をしてこなかったり、お迎えに遅れて来る保護者は少なくありません。

保護者が迎えに来なければ保育士は、ずっと子どものお世話をする必要があり、園を閉めたり、他の業務をおこなうことができません。結果、勤務時間が伸びてしまうこともあるのです。

ライフスタイルの多様化によって、保育園は柔軟な対応が求められている

最近では、土曜保育をおこなっている保育園や、上記でも触れた24時間保育を実施している保育園もあります。これは保護者のライフスタイルの多様化に合わせ、保育園も取り組みを変えていている例です。

そして、土曜日勤務・夜勤は基本的にはシフト制です。そのため、夜勤や土曜勤務がある週は1日の勤務時間が短くなっていたり、平日にお休みがもらえることになります。しかし人手が足りない保育園では、園が空いている時間が長くなることにより、シフト回数や勤務時間数が増えてしまう可能性もあります。

また今後365日24時間空いている保育園が出てくる可能性もあります。利用者にとっては嬉しい話ではありますが、保育士にとっては勤務時間数が増え、働く負担になり得る問題といえます。

残業を減らす方法

持ち帰り残業は、上記でも紹介したように違法ですが、先輩などの目もあり、断ることは難しいはず。そこで少しでも、持ち帰り残業を減らす方法を紹介していきます。

業務効率を改善する

ひとつひとつの仕事を丁寧且つ完璧にこなしていくことはもちろん重要なことですが、全ての仕事を同じレベルで完璧にこなそうとすると無理が生じます。

しっかりと仕事に対する優先順位をつけて、効率的にこなせる仕事にについては注力するレベルを落とすことや、場合によってはやらないという選択をすることが大切です。

ひとりで仕事を抱え込まない

責任感が強かったり、こだわりを持って仕事をすることは大切なことでもありますが、全てをひとりで抱え込んで仕事を続けるということはできません。

仕事によっては周りの同僚に協力を仰ぐことや、ときには仕事そのものを任せてしまうことも重要な場合もあります。

勤務状況を周りに共有する

自分が今、どのようのな仕事を行っているのかを同僚たちに共有していくことも大切です。

特に行事やイベントの準備等に関しては、同僚との連携によって業務負担を減らすことができるので、自分の状況を共有していくことが重要となります。

無理をせずに断る

頼まれた仕事を全て受けるということにも良し悪しがあります。

自分の許容量を超えた仕事を受け続けて、毎日残業をしていることは周りからしても望ましいことではありません。

無理な時には、しっかりと断ることも大切です。

その他のポイント

  • スキマ時間を有効的に使う
  • まとめて作業時間をつくる
  • 持ち帰らないという固い意志をもつ
  • 残業時間を正しく申告をする
  • 終業時刻をあらかじめ決めておく
  • ノー残業デーを作る

苦手な作業があれば得意な保育士に任せる、変わりに得意な仕事は率先しておこなうなど、保育士同士でうまく連携して、仕事を進めていくことが大切です。

子どものお昼寝時間を利用したり、再利用できそうな物は使い回すなど、仕事を早く終わらせる方法と一緒に、減らす方法を考えることで、持ち帰り残業は減らせるはずです。パソコン導入や備品は発注するなど、外部にお願いできる部分は依頼をおこなうことも、負担を減らす手段のひとつかもしれません。

「仕方ない」と諦めるのではなく、改善策を考えることで、保育士同士の結束が深まり、結果的にタスク効率化につながるでしょう。

今の職場に耐えられない場合は?

あまりにも今の職場の労働環境がおかしい場合は、転職を考えてもいいでしょう。せっかく保育士になったのに、体を壊して働けなくなってしまっては元も子もありません。

自分自身で残業を減らす改善努力をした結果、それでも状況が変わらない場合には、別の保育園への転職というのも選択肢のひとつになります。

転職サイトのなかでもおすすめなのは、保育専門の転職サイト「ほいく畑」。ほいく畑は、厚生労働大臣認可の保育士就職支援センターです。

厚生労働省の認可を得ている保育専門の転職サイト「ほいく畑」なら、3000件以上の保育士求人の中から自分の希望条件や要望に合った園を紹介してもらうことができます。

国の管理下にあるため、労働基準や法令違反に対して厳しい審査をクリアしている保育園・幼稚園を扱っています。そのため、労働条件や待遇面で不利になることはなく、安心して就職活動を進めることができます。

ほいく畑に登録する(無料)

編集部オススメ!保育士のための転職サイト

複数のサイトに登録することで、より好条件・高年収など魅力的なオファーを受けることが出来ます。