退職前の上手な有給消化とは?トラブル回避・対策方法も紹介!

JobStep編集部
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転職などで前職を退職する際に、それまで勤めた期間が長ければ、有給休暇がたくさん残っている人も多いと考えられます。

有給休暇は労働を免除されたうえで、賃金がもらえるありがたい制度なので有効活用したいものです。

有給は労働者の権利なので堂々と行使したいですが、一方で現在の職場との関係性を維持したい場合には、あまり突然に有給に入ってしまうと引き継ぎなどの問題で揉めてしまうおそれもあるので注意する必要もあります。

そこで今回は、退職の際の有給消化について知っておくべきこと・注意点を紹介します。

退職時にうまく有給消化を利用する方法

スケジュールを考える

自分の有給休暇の残日数を事前にきちんと確認し、退職日までのスケジュールを考えておきましょう。あと何日有給が残っているのか、自分で把握することが大切です。有給休暇の残日数が自分の思っている日数と異なる場合があるため、給料明細などでしっかりチェックしましょう。

次に、有給消化の意志を、会社側になるべく早く伝えることが必要になります。このとき、業務の引き継ぎスケジュール調整しながら、最終出社日・退職日の希望を会社側に伝えるようにしましょう。

引き継ぎも事前に計画的に行っておけば慌てる必要はなくなります。「権利ですから明日から有休を取らせてください」と言われても、会社側も現場も困ってしまうものです。後述するように、退職時の有給取得の場合には、会社側が時季変更権を使用することはできないので、法律上は退職の意志を伝えた直後に有給に入ることも可能なのですが、マナーとしては業務の引き継ぎを行ってから有給消化に入ることが一般的です。

お互い気持ちよく、円満な退職をするためには、きちんと仕事の引き継ぎを行いましょう。

自分の有休休暇の残日数を事前にきちんと確認し、そこから逆算して退職日までの引き継ぎスケジュールを考えておきましょう。計画的に行っておけば心残りなく有休に入ることができますし、会社側とのトラブル回避にもつながります。

「辞める前は忙しくなるから」と言われても大丈夫なように準備をしておきましょう。

身辺整理を行う

すんなりと有休を取得するには、業務の引き継ぎもそうですが、デスクやロッカールームなども計画的にしっかりと片付けましょう。

たいていの会社の就業規則には、「退職日までに業務の引き継ぎを完了させ業務に支障がでないようにし、所属長の確認を受けることとする」と書かれています。

あとから処分に困ったものが出てきたり、情報に関する問題などが起きたりしないよう、机の上や引出はもちろん、パソコン上のデータなどきれいにしておきましょう。

退職前の有給消化を渋られたらすべきこと

会社によっては退職前に有給休暇をとろうとした時に、「自己都合で辞めるのだから有給休暇の消化はできないよ」と言われたり、「引継ぎができないから難しい」と言われたり、職場が取れる空気ではない、といったさまざまな理由で有休を取りにくいことはあるでしょう。

そんな時、有給休暇を消化できずに退職日を迎えてしまうことがないように、退職前にすべきことを確認しておきましょう。

そもそも断れないことを伝える

有給休暇は、自己都合で辞めようと会社都合で辞めようと、人出不足だろうと、就業規則だろうと、会社側は労働者の有給の申請を拒否することは法的にできないとされています(労働基準法39条)。退職時であっても出勤率80%以上という要件を満たしていれば、勤続年数に応じた有給を消化することができます。

なので、拒否をされた時には、法律をタテに、有給を取らせてもらうようにしましょう。会社側も知識がなく言っていることもありますので、自分自身もしっかり把握しておく必要があります。

例えば、退職が絡まない有給であれば、繁忙期などで有給休暇を使用されると業務に支障が出ると判断された場合に、会社が時季変更権を行使して、労働者に有給取得時季の変更・調整を求めることができます。しかし、退職をする人に対しては、退職日以降の日程に関して会社が指示をすることができないので、退職が決まっている人に対しては、会社側が時季変更権を使用することはできません。

したがって、会社の繁忙期などの事情があったとしても、転職先に重要なスケジュールなどがある場合は、そちらを優先することができます。

有給休暇の買取を相談する

原則的には認められておりませんが、場合によっては有給を会社が買い取ることもあります。ちなみに、退職日が決まっている中で、労働者側から有給を買い取ってくれと会社側に話したとしても話は通りません。

基本的に有休買い取りが認められていない理由は、会社がお金の力で労働者から休む権利を奪うことが禁じられているからです。

例えば、「忙しいから、有休買い取る代わりに連日出勤してくれないかな?」と会社側が労働者に無理なお願いをしてしまわないようにする、といったように会社から不当な労働を強いられるのを防止するのです。

しかし例外として、買い取りが可能な場合があります。会社側・労働者双方の同意があれば、退職時に消滅してしまう分の有休休暇の一部買い取りをすることが可能です。

いずれにせよ、退職日のスケジュールと合わせて、しっかり会社側と話し合うことが重要です。

あなたに有給が残っていて、それを消化することで業務に支障が出る場合、会社が申し出てきます。そのため、どうしても有給を取れなさそうな場合、あなたが望むなら買い取りを落としどころに交渉を進めるのも一つの手です。

有給休暇に関連するトラブルとその対処法

上記のような対処をしても、会社が有休取得を断念させようとすることがあるかもしれません。

この場合、以下の3パターンのトラブルが発生します。トラブルのパターンとその対処法を確認しておきましょう。

有休休暇が許可されない

「忙しいのでなんとか最終日まで出社してほしい」というお願いされたり、以前のミスなどを引き合いに出されて有休取得を拒否されたりして、有休休暇が許可されないケースがあります。

この場合には、直属の上司ではなく、さらに上位の上司や総務部、さらには第三者機関に相談しましょう。

有休休暇の賃金が支払われない

きちんとした手続きを踏んで有休を取得したのに、最終月の給料が2万円など、有休分の賃金が払われていなかったケースです。

たいていは退職後、最終月の給与が払われてから判明しますが、これは会社側にすぐ確認しましょう。会社側のミスという場合もありますので、退職してもしばらくは注意が必要です。

どちらの場合でも、会社側から誠実な対応が得られないようであれば、労働基準監督署や弁護士・社会保険労務士といった、官庁や専門家へすぐ相談しましょう。

「懲罰」や「損害賠償」をちらつかせてくる

あなたの退職の手続きの中で、就業規則を守らなかった点を責めて、有給取得を断念させようとすることがあるかもしれません。

以前のミスについて話してきたり、引き継ぎ不足をせめたり、退職の申し出が遅かったと言ってきたりと、考えられるパターンはいくつかあります。

これに対しても、怯む必要はありません。就業規則の違反と有給休暇が使えないことは関係のないことです。そのことをはっきり伝えましょう。

有給休暇に関する豆知識

その他にも有給に関する豆知識があるのでご紹介します。

有給休暇の取得理由は「退職するため」でOK

有給を消化する際に休暇理由を記載する場合がありますが、この時の申請理由は「退職するため」でも問題ありません。

有給休暇は法律で保護されたもので、そもそも取得理由を伝える必要がありません。自信をもって申請しましょう。

派遣社員でも有給休暇を消化できる

派遣社員といえど労働者なので、有給休暇をとる権利はあります。正社員と違うのは、有給休暇を申請する場所。

派遣社員は、登録している派遣会社に申請するため、直接働いている会社に申し立てできません。退職が決まったら、まずは派遣会社に相談してみましょう。

リストラにあった場合でも、有給休暇は消化できます

リストラによる退職でも有給休暇の消化はできますが、退職するまでの日数がないのが大半です。リストラを告げられた日から退職するまで1ヶ月程しかないケースもあります。

有給休暇を買い取るのか、消化するのかは、早急に会社側と話し合いをするようにしなければなりません。

退職前の有給消化に後ろめたさを感じる必要はない

ここからは個人的な気持ちの問題ですが、「同僚たちが引き継ぎで忙しくしている中、有休休暇でのんびりするのは後ろめたい」という気持ちから有休取得に消極的な方もいるかもしれません。

あるいは周囲から「辞める前に有給休暇を取得しようなんて非常識だ」なんてことを言われるかもしれません。

しかし、そんなことは全くなく、有給休暇の取得は労働者の権利です。ここは、辞める会社なのだからと気持ちを整理し、割り切って考えてしまうのもいいかもしれません。

どうしても気が引けてしまうという人が頭に入れておくべきことは、「あなたが辞めることで業務に支障が出るなら、それはリスクヘッジをできていなかった会社のせいである」ということです。

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