保育観の意味は「何を大切に子どもを育てるかという価値観」。保育士が持っておくべき保育観とは?

保育観の意味は「何を大切に子どもを育てるかという価値観」。保育士が持っておくべき保育観とは?

JobStep編集部
公開, 更新 , 保育士

保育観とは、何を大切に子どもを育てていくかの価値観。これは保育士・保育園・保護者によって考え方が異なります。

「子どもが毎日、笑顔でのびのび生活できるような保育をしたい」、「将来困らないために今のうちから、社会性を身につけてくれるような保育」をしたいなど考え方はさまざまです。

どれが間違っていて、これがいちばん正しいということはありません。あくまで人それぞれの考え方になります。

ただし保護者は、自分の保育観と近い保育園に子どもを入園させるべきでしょう。保育士は、保護者の保育観を理解し、その保育観をなるべく尊重しながら育児をすることが大切になるといえます。そこで今回は、いろいろな保育観を紹介します。

十人十色の保育観

保育士として、保育観を柔軟に持っていることは重要な能力。保護者からすれば、自分の子育てを理解して、子どものお世話をしてくれるいうことになるからです。

保育観はさまざまですが、子どもに合わせて使い分けてあげられることが大切といえるでしょう。そこで様々な保育観を紹介していきます。

安心できる環境を提供したい

保育園は早い所では朝の6時から、遅いと19時までの延長保育を受け付けてくれます。また夜勤のある家庭向けに、24時間預かりの保育園も近年増えています。

子どもは1日の長い時間、親と離れて保育園で過ごすことになります。そんな子どもに寂しさを感じさせることなく、家庭同様に安心して過ごせる環境を提供したいという保育観です。

そのために保育士は子どもが何を求めているのかを常に考え、子どもが出しているサインに気付き、しっかりと「見守っているよ」というメッセージが子どもに伝わるように努力するべきといえます。

子どもの可能性を引き出したい

子どもは沢山の可能性を持った尊い存在です。しかし実際に自分に何が適しているのか、どんな可能性を持っているのかを知るには難しい年齢です。

そこで保育士が日常生活の中で子ども達の特技や可能性を見つけ出し、可能な限り、その可能性を伸ばしてほしいという保育観になります。

感受性豊かな子どもに育って欲しい

子どもの感受性は、大人よりもずっと豊かです。感受性はやがて芸術の才能に発展したり、柔軟な思考を持つ大人へと成長させてくれますから、伸ばしたいと考えている保育士は非常に多いです。

感受性を刺激するため、保育士はいろいろな光景・経験を子どもに与えて感受性を磨きます。本を読んで楽しさを共有し合ったり、雨の音を聞かせてどんな音がするかを考え想像させたり、夕日を見て綺麗だと感動したり…私達にとっては当たり前の日常でも、子どもからしてみれば全て特別なものに感じられるのです。

子どもの自主性を重んじたい

子どもは大人に比べるとできないことも多く、簡単に物事をこなすことは不可能です。しかし子どもにも「自分でしたい!」と思う気持ちが、1歳くらいから生まれています。

子どもの自主性を重んじたいのであれば、なるべく子どもになんでもやらせてあげることが大切です。またもしできなかったとしても、少しの時間は子どもの対応を見守ってあげるべき。

助けるのは簡単ですが、将来ずっと自分がその子の面倒を見てあげられる訳ではありません。子どもが何でも自分で出来るようになるのは大切なことです。

子どもの気持ちに寄り添いたい

子どもは自分の心の内にある気持ちを、なかなか伝えることができません。

保育士は人不足で、1人ひとりの子どもとゆっくりと接する時間を作ることは難しいですが、少しでも子どもの気持ちに寄り添い、その子の抱える不安や悩みを受け止めることを目指す保育士は多いのです。

感謝できる子どもになって欲しい

子どもは促されれば、相手にお礼を言えますが、自主的に、感謝の言葉を言えるようになるまでには時間がかかります。

早い子は年少(3歳)からお礼を言えるのですが、言えない子は年長(5歳)になっても言えません。そこで保育士はそんな子どもの前でどんな時にお礼を言うのか、率先して相手にお礼を言う姿を見せてお手本になりましょう。

愛情を知って欲しい

児童施設に就職した保育士に、この保育観を見る人は多いです。

親に愛されず、虐待すら受けて児相に保護され、施設に送られてきた傷付いた子ども達。この子達は大人を信用していませんし、愛される事を知りません。そんな子ども達に愛情を知って欲しいと、保育士は日々子ども達と信頼関係を築く為に心を砕いています。

何でも食べられる子になって欲しい

食育の一環でもありますが、子どもは0歳から味覚の形成が始まっています。そのため0歳の離乳食から、さまざまな食材を食べさせて味を経験させておくことが必要です。

偏食の子どもに成長してしまうのは、この大切な時期に同じ物ばかりを食べさせてしまっているからなのです。吐き出したとしても根気強く、調理方法を変えるなどして食べさせる努力を怠らないようにしましょう。

保育士が持つべき保育観とは?

保育士によっても、持っている保育観は多種多様です。保育観は保育していくうえでの、基礎的な考え方になります。

そのため就職する際は、自分の保育観と似たような園を選ぶことをおすすめします。保育士になれば、常に保育観を念頭に置き、精進していくことになります。保育観をぶらさず、大切にしたい軸を一つはもっておくことが大切といえます。

また保育士同士の保育観の不一致もよくあることで、トラブルの原因となります。自分の保育観だけを重視するのではなく、よく話し合いどうしてそう思うのかを述べた上で、お互いを尊重しあい歩み寄る努力が大切です。

下記3つの保育観は、大切にしておくべきでしょう。

子どもをいちばんに考えて行動できる

当たり前ですが、子どもの命を預かっている仕事です。何よりも子どものことを優先し考えて動かなければなりません。例えば、子どもが木登りをして降りれなくなって泣いています。

助けを求めているのに、「あっちで呼ばれているから行くね」といなくなってしまう保育士に預けたいと思いますか?

子どもたちと鬼ごっこをする約束をしていたのに、「今日は疲れるからまたね」と理不尽に断る保育士に大切なわが子を任せられますか?

簡単な例で説明するとこういったことです。何よりも子どもたちのために汗水流せる人こそ、保育士として理にかなっているのではないでしょうか。ただ、遊んだり子どもたちとわいわい過ごすだけではありません。きちんと子どもの立場になって考えられることが大切です。

保育士・保護者・子どもと十分なコミュニケーションをとることができる

保育とは、チームワークです。自分だけで判断したり行動するだけでなく、保育士同士や保護者とも連携をとらなければならない場面がたくさんあります。自分の考えを押し付けたり肯定ばかりするのではなく、相手の意見を受け入れ、取り入れていく姿勢が大切です。

時には、きちんと意見し話し合うことも必要ですが、子どもたちが十人十色であるように、保育士・保護者も様々です。

だからこそ子どもたちそれぞれの居心地の良い場所が作れるのです。コミュニケーションを密にとり、関わりあえるからこそ、より良い保育ができますから、このことを面倒だと思わず、実行できるかが重要です。

子どもが笑顔で安心しながら生活できる

子どもたちが安心して楽しく過ごせない場所は居心地がいい園とは言えませんし、居心地のいい場所を提供しようとしない保育士は保育士にふさわしくありません。

子どもたちはとてもデリケートです。ちょっとしたことで傷つき、悲しみ、心に深い傷を抱えることもあります。こういった感情を経験することも発達していくうえで必要ですが、そのときに「安心できる場所」を作っておいてあげることが大切です。

親子でも、母親に怒られてどんなに泣いても、最後に抱きしめてもらえれば子どもは安心し、愛情を感じることができます。保育士は園の中で、母親のような役割です。子どもたち1人ひとりを受け止める気持ちがなければなりません。

信頼関係をきちんと築いていければ、子どもたちの安心できる場所ができあがります。心の通わせ方にも重点をおき、保育することは大切です。

保育観の決め方とは?

保育士として働いている人でも、自分の保育観がわからなかったり、見失ってしまった人は少なくありません。もし今「あなたの保育観は?」と聞かれて、パッと答えられなくても心配することはありません。

働いていくうちに、保育観が変わることや、追加されることは多いです。この保育観は、自分の性格や経験に左右されるものなので、焦って見つける必要もないでしょう。

ただし「子どもを可愛がって育てないな」、「なるべく外で遊ばせてあげたいな」、「喧嘩は自分たちでなるべく解決してほしいな」、「素直な子のほうが可愛いな」など、こんな些細なことでも保育観です。

そのため悩んでいる多くの保育士は、保育観が見つかっていないのではなく、言葉にできていないだけなのかもしれません。

保育園と自分の保育観が異なる場合

保育士を志してきた人なら、少なからず自分の保育観があるはずです。もし自分の保育観と保育園の保育観がズレている場合、要注意です。

今後働くうえで、何かしら自分には納得できない考え方や働き方が出てくるはず。そうなった場合、働くのがしんどくなってしまう場合もあるかもしれません。

もしあなたがすでに、保育園と自分の間に溝を感じてしまっているのであれば、自分の保育観と近しい考えを持った保育園への転職を考えるべきといえます。

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