国際公務員になるには資格が必要?専門知識や経験を有し、語学力がある人を求めている

JobStep編集部
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国際公務員は、おもに国連・国連関係機関で働く職員のことを指します。なかなか表舞台には出てこない職種で一般には聞きなれない職業です。

2019年1月には河野外務大臣が演説の中で、国連を始めとする国際機関で活躍する日本人を増やすことを急務と述べました。

近年では応募者の絶対数が足りていないことや、英語力不足のために国連の採用試験に受かる若者がほとんどいないために、JPOからの採用しか無いといった状況です。

英語力を身につけることが必要なようですが、それ以外に国際公務員に必要な資格はあるのでしょうか。今回は国際公務員に必要な資格やなるまでのステップアップについて紹介していきます。

国際公務員に必要な資格

国際公務委員は大きく分けて「専門職」と「一般職」に分かれます。特別な資格はありません。しかし、「専門職」「一般職」には共通して以下のような必要条件があります。

  • 将来に通じて国連・国連関係機関にて働く意思を持つ
  • 採用後すぐに即戦力となる人材を募集しているため新卒者採用はなく一定のキャリアが必要
  • 英語もしくはフランス語にて職務遂行可能

原則、現地採用となる「一般職」は、専門職の指示のもと一般事務をおこないます。最終学歴はあまり重要視されず、高卒から応募することができます。ただし、採用後に即戦力になる能力を必要とされるため、ある程度経験を積んでからの応募となることがほとんどです。

採用条件は各機関によって異なるため、勤務を希望する事務所に直接照会するか、各機関のHPで確認してください。

国際公務員を目指す人の多くが属するのが「専門職」です。「専門職」は、専門分野を持ちその分野に対して国連・国連関係機関で職務を全うします。

そのため、専門職になるためには、専門領域に即した修士号以上の高い学歴、2年以上の専門領域での実務経験が必要となります。現在、国際機関では以下の分野の背景を持つ人材を求めています。

  • 開発
  • 人権
  • 人道
  • 教育
  • 保健
  • 平和構築
  • IT
  • ロジスティックス
  • 調達
  • 法務
  • 財務
  • 広報(渉外関係)
  • 人事
  • モニタリング評価(M&E)
  • 環境
  • 工学
  • 理学
  • 薬学
  • 建築

必要な語学力については、国家公務員として働く人の多くが以下の水準を有しています。

  • TOEFL-iBT 100点以上
  • TOEFL 600点以上
  • IELST(International English Language Testing System) 5.5以上
  • 国連英検 特A級

具体的な採用試験方法・勉強する際のポイント

国際公務員になるためには以下の方法があります。

1.国連事務局YPP試験

2.外務省JPO派遣制度

3.一般事務職など現地採用

4.空席公告

1.国連事務局YPP(ヤング・プロフェッショナル・プログラム)試験

YPPは、国連事務局が若手職員を採用するためにおこなうプログラムです。年に1度試験がおこなわれます。試験に合格すると、2年間の勤務の後、勤務中の成績が優秀であれば、引き続き採用される仕組みです。

応募条件は、試験の年に32歳以下、募集分野に関連する学士号(大学卒業)以上の学位、英語またはフランス語での職務遂行が可能であることです。

国連事務局のYPPの情報は、国連事務局ウェブサイトに掲載、国連広報センターや国際機関人事センターのHPでも入手できますので確認してください。

2.外務省JPO(ジュニア・プロフェッサー・オフィサー)派遣制度

日本の外務省が実施しています。将来、国際機関で働く正規職員を志望する若手の日本人を対象に、一定期間(原則2年間)各国際機関へ職員として派遣する制度です。派遣期間終了後には国際機関で正規ポストを獲得し、将来にわたって勤務していくために必要な知識・経験を積む機会を提供することを目的としています。

現在、国際機関で働く専門職以上の日本人スタッフは約4割がこのJPO派遣制度を利用し、派遣終了後のおよそ7割が国際機関に正式採用されています。

応募条件は、35歳以下、修士号以上、そして専門領域に関わる職歴2年以上です。毎年募集はありますが、通常は欠員補充のみとなります。しかし、この後紹介する「空席公告」よりは競争倍率が低くなります。

3.一般事務職など現地採用

現地採用は主に一般職に適応されます。採用条件は各機関によって異なるため、勤務を希望する事務所に直接照会するか、各機関のHPで確認しましょう。

4.空席公告

国際公務員に欠員が出た場合に各国際機関のウェブサイトには「空席公告」が掲示されます。また、外務省の「国際機関人事センター」のHPにも最新空席情報が掲載されているのでこまめにチェックするとよいでしょう。

ウェブサイトには、勤務地や仕事内容などの詳細が載せられるため、就きたいポストがあり、資格要件を満たしている場合にオンラインで応募することとなります。

応募条件は、修士号以上の学歴、公告された職務に関連する2年以上の職歴と専門知識を持ちかつ、英語またはフランス語で職務遂行できる人です。年齢制限は特になく、随時応募することができます。

国際公務員を目指す人は、専門性を磨くために学士号から職務、修士号と一貫した分野でのキャリア形成をおこなう必要があります。

そのためには、自分がどんな分野に興味があるのかを早い段階から考え、該当機関の業務内容に直結した専攻を見つけ学ぶことが大切です。

資格取得の難易度

合格率5%と、かなり狭き門といえるでしょう。しかし、外務省JPO(ジュニア・プロフェッサー・オフィサー)派遣制度を利用することによって空席公告よりは競争倍率が低くなります。

資格を取得するためのステップ

次に紹介するのは、国際公務員の専門職になるためのスタンダードなステップです。

ステップ1:大学へ入学する

国際機関で正規職として働くためには、高い専門性が必要です。そのためまずは、自分がどんな分野において専門性を磨いて活躍したいのかを考えそれに沿った分野の大学へ進学します。

一般的には国際政治・経済・国際法や人権などの社会科学分野、医療、教育、社会福祉、農業、金融政策などの専門学位を持っていると有効でしょう。

また今後は、気候変動、ジェンダー、人権保護、紛争解決などの知識を重要視することも想定されています。

専門分野を構築するための学部の例としては、「政治・経済学部:国際経済学科」「法学部:労働法や国際法」「文学部:仏文学学科」「社会学部:社会政策学科」「工学部:電子工学学科」「医学部」「看護学部:看護学科」などが挙げられます。

これらは一例なので、自分の興味のある分野を持つ大学を探しましょう。その際には、希望する学校の卒業生に国際公務員を目指す人が居たかどうかを、就職支援センターに問い合わせてみると良いでしょう。

ステップ2:大学院に進学する

大学卒業見込みの目途が立ったら、大学院進学について考えましょう。研究したいテーマを追求できるか、履修プログラムについてや、研究環境、どんな教授がいるのかを具体的に確認しておくとより自分に合った大学院を見つけることができます。

進路相談センターに問い合わせたり、教授たちの中にはオススメの大学院を教えてくれる人もいると思うので相談するとよいでしょう。

大学院でセメスター制度が導入され、春入学と秋入学がある大学院が増えてきています。大学院入試は一般入試と社会人入試に分かれます。

一般入試では通常外国語と専門科目の筆記試験、書類審査、面接が実施されることが多いようです。

社会人入試は一般入試に比べて試験科目が少なかったり、筆記試験がないことがあります。おもに、外国語試験と面接が課せられることが多いようです。また、試験はないですが、研究計画書や小論文の提出を義務付けている大学院もあります。

自分の行きたい大学院がどんな試験内容であるのか、自分は受験資格に当てはまっているのか、希望の大学院に問い合わせておくとよいでしょう。

大学院在学中には、研究テーマについて論文を発表しておくとその後の就職活動に有効です。

ステップ3:就職活動

具体的な採用試験方法で紹介した国連事務局YPPや外務省JPO派遣制度を活用することで職歴をつけ、国際公務員の正規職員として働くことができます。

また、国際機関人事センターが実施するロスター登録制度試験というものもあります。自分の経歴をウェブサイトを通じて登録されている人に対し国際機関のポストに関する情報などを個別に提供する制度です。

専門職のみとなり、事前に登録フォーマットや応募書類を作成しておく必要があります。また、すぐに就職活動をおこなうのではなく、語学力を高めるために留学に行く人も多くいます。

資格の取得におすすめの学校

中央大学

情報の仕組みやグローバル教養を統合的に学び、グローバルな時代の情報の諸問題を解決できる人材を育成することに力を入れています。「AI」、「プログラミング」等、時代が進むにつれて必要とされる内容について世界標準を視野に入れた国際的な視点から学ぶことができます。

広島修道大学

2017年に健康科学部開設、2018年には国際コミュニティ学部を開設しており、学問領域が大きく広がってきています。14ヵ国地域31大学と提携していることが特徴です。国際社会で活躍できる人材を育成することに非常に力を入れています。そのため多彩な留学プログラムが用意されています。

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